第一編 内装の防火の法令

第1章 内装の防火に関する二つの法律

 
1. 建築基準法と消防法
  建築物の内装の防火上の措置を定めている法律には、建築基準法と消防法とがあります。 建築基準法は、対象となる建築物を定め、これら建築物の壁、天井の室内に面する部分の仕上げに用いる 内装材料の種類を制限する、いわゆる内装制限をしています。その目的は、火災の初期における人の安全避難を実現させることにあります。 消防法は、同様に人命を火災から保護することを目的として、防炎規制を受ける防火対象物を定め、そこ に使用するじゅうたん類、カーテン類は防炎物品でなければならないとしています。 内装や室内装飾の製作・施工に関わる人々は、この二つの法律を熟知し、正しく適法なインテリアづくり を行うことが大切です。
 
 2. 防火材料と防炎物品
  建築基準法で定める防火材料は、不燃材料、準不燃材料、難燃材料であり、それぞれ防火性能が決められ、 かつ、国土交通大臣が定めたものか認定したものとされています。 防炎物品は消防法に基づく防炎性能がなければなりません。防炎性能は、炎に接しても燃え難い一定の性能 を指しますが、その基準は消防法施行令で、薄手布、厚手布、じゅうたん等の物品ごとに定められています。 内装関係業界人で、防火材料と防炎物品とを混同するケースも見られますが、両者はそれぞれ異なる法律 に基づき、性能を定める試験方法も異なり、所轄の官庁も違っていますので、その関係も正しく知っておく ことが必要です。この内装材等の防火上の措置を定めた二つの法律の要点を表・建築基準法と消防法の内装 制限に示してみます。
 
3. 確認に関する消防長の同意
  建築基準法第93条(許可又は確認に関する消防長等の同意等)では、建築主事又は指定確認検査機関が、 建築の許可又は確認をする場合には、「当該許可又は確認に係る建築物の工事施工地又は所在地を管轄する消防長又は消防署長の同意を得なければ、当該許可又は確認することができない。」としています。 また、消防法第7条(建築許可等についての消防長又は消防署長の同意)では、建築物の新築、増改築等に ついて許可や確認をする権限を有する行政庁などが許可や認可をする場合には、「建築物の工事施工地又は 所在地を管轄する消防長又は消防署長の同意を得なければ、当該許可、認可若しくは確認又は同項の規定に よる確認をすることができない。」とし、「建築の防火に関するものに違反しないものであるときは」同意した ことを通知することとなっています。
 建築物の防火対策について、建築基準法と消防法が共通の措置を講じていることが分かります。

表・建築基準法と消防法の内装制限

材料の呼称  防火材料 防炎物品
性能規格 不燃材料
準不燃材料
難燃材料
防炎性能(薄手布、厚手布、じゅうたん等、合板等ごとに残炎、残じん、炭化長・面積などの数値が決められている)
対象建築物 特殊建築物等
(本書の内装制限一覧表参照)
防火対象物(本書防炎規制を受ける防火対象物参照)
対象物 壁及び天井の室内に面する部分 じゅうたん等の敷物類、カーテン、暗幕、布製ブラインド、展示用合板、舞台において使用する大道具用の合板又は工事用シート
法・令 建築基準法
建築基準法施行令
建築基準法施行規則
消防法
消防法施行令
消防法施行規則
所轄官庁 国土交通省 総務省
消防庁