第三編 情報・資料

壁紙標準施工法(平成14年2月7日壁装施工団体協議会制定)

第3章 下地調整

3・1 下地基材面の検査

 
下地基材面は次の項目を検査して、下地調整の対策を立てる。はつりあとの穴、不陸、ボード類の取り付け不良・傾斜など、通常の方法では納まる仕上げが出来ない恐れがある場合、または、防かび処理など特別な処理が必要と思われる場合には、施主または現場監理者に申し出てその指示をうける。なお、前工程の施工精度により調整手間が通常以上に必要になる場合も、監理者に申し出て指示をうける。
1. 埃、汚れ、傷、記入物等の有無。
2. コンクリート、モルタル等は穴、不陸、凹凸、アクの付着等。
3. ボード類は、下地への取り付け状態、釘・ビス等の頭、傾斜等の有無、ジョイント部の目違い、不陸、隙間、出隅・入隅の状態等。
4. モルタル等塗壁の下地基材の乾燥状態は、水分計で測り11%以下であること。
5. 下地基材面の色違いの有無。
6. 基材の吸水性
7. かび発生の恐れ、水、湿気についての室内環境。
3・2 下地基材面の清掃
 
下地基材面の埃、汚れ、油脂分、異物など接着を妨げるものはきれいに取り除く。
面にサインペン等での記入がある場合は溶剤等で拭きとる、又は、サンダーで擦って全部取り除く。
3・3 防さび処理
 
下地面の釘やビスの頭等の金属は、壁紙施工に適した防さび剤を塗布して防さび処理をおこなう。
3・4 除かび、防かび処理
 
1. かび発生の恐れがある所は、現場監理者を通じて施主に防かび処理を提案し、承諾を得た場合、その工事を追加施工する。
2. 既にかびが生えている箇所は、前記の手続きを行い承諾を得たうえでかび取り剤を塗布するなどして除かび処理を行う。
3. 防かび処理、かび取り処理は、薬剤メーカーの仕様に基づいておこなう。
3・5 下地基材面の平滑化
 
下地基材面は以下の各項により平らにつくる。
1. 下地基材面の突起物等凸部は、サンダー等で取り除き、釘・ビス等の頭は基材面より沈める。
2. 下地基材面は、パテ施工をして平滑にする。パテ施工は、隙間、穴埋め、段違いのみでなく、釘打ち跡などももれなく修正し、面全体の平滑化を図る。
3. 平滑度は、下地基材の状態、施工のグレード、壁紙の凹凸に対する隠蔽性等を考慮し、表3・1に表す級別を決めて施工する。
表3・1 下地基材面の平滑度

平滑度

評語

施工可能な壁紙の種類(参考例)

1級

極く(鏡面様に)平滑 鳥の子、シャンタン、反射柄等の壁紙および以下の各欄の壁紙

2級

十分な平滑さ 薄手の紙・織物・ビニル・オレフィン等の壁紙および以下の各欄の壁紙

3級

通常の平滑さ 中厚の紙・織物・ビニル・オレフィン等の壁紙および以下の欄の壁紙

4級

平らな粗面  厚手の紙・織物・ビニル・オレフィン等の壁紙
3・6 シーラー塗布
 
下地基材面にはシーラーを塗布する。採用するシーラーは原則としてエマルション型とするが、下地基材の種類や現場の状況から、やむを得ず溶剤型を用いる場合は、施主または現場監理者の承認を得た上で行う。シーラーの種類、配合等は、次に掲げる目的を考慮して決める。
吸水性の調節
下地からのアルカリ、水分の滲出の防止
下地表面の強化、安定化
下地の色違いの修正
張り替えの際の剥がし易さを確保する
3・7 下地の色違いの修正
 
下地面に目立つ色違いがある場合で、壁紙がJIS A 6921のいんぺい性4級に満たないものを施工するときは、下地面にカラーシーラー等を塗布して均一な色調に整える。
3・8 コンクリートおよびALCパネル面の下地調整
 
コンクリートおよびALCパネル面の下地調整は表3・2により、面の平滑化は平滑度の要求に応じて表3・2各級の作業を行う。なお、パテ施工した部分には原則としてシーラー塗布を行う。(標準施工図3・8・1)
 
表3・2 コンクリートおよびALCパネル面の下地調整

作 業

資材等

1級 2級 3級 4級

1. 面の清掃

 

2. シーラー塗布 エマルション型を標準とする
3. 下地調整塗り・乾燥後研磨紙ずり JIS A6916仕上塗材用下地調整塗材
4-1. パテ塗り・乾燥後研磨紙ずり 下塗り用又は上塗り用パテ
4-2. 平滑度点検・4-1の作業で修正    
4-3. 平滑度点検・4-1の作業で修正        
5. 防かび処理(必要に応じ実施) 防かび剤(メーカー仕様による)        
6. 下地色違いの修正(必要な場合) カラーシーラーを標準とする        
3・9 モルタル面の下地調整
モルタル面の下地調整は、表3・3により、面の平滑化は、平滑度の要求に応じて 表3・3各級の作業を行う。なお、パテ施工した部分には原則としてシーラー塗布を 行う。(標準施工図3・9・1)

表3・3 モルタル面の下地調整

作 業

資材等

1級

2級

3級

4級

1.面の清掃  
2.防かび処理(必要に応じ実施) 防かび剤(メーカー仕様による)        
3.シーラー塗布 エマルション型を標準とする
4-1.下パテ塗り・乾燥後研磨紙ずり 下塗り用パテ
4-2.上パテ塗り 上塗り用パテ  
4-3.平滑度点検・4-2の作業で修正 上塗り用パテ      
5.下地色違いの修正(必要な場合) カラーシーラーを標準とする        
3.10  合板面の下地調整
合板面の下地調整は、表3・4により、面の平滑化は、平滑度の要求に応じて表 3・4各級の作業を行う。なお、パテ施工した部分には原則としてシーラー塗布を行 う。(標準施工図3・10・1)

表3.4 合板面の下地調整

作 業

資材等

1級

2級

3級

4級

1.面の清掃  
2.釘、ビス頭の防サビ処理 防かび剤(メーカー仕様による)
3.シーラー塗布 エマルション型を標準とする
4-1.下パテ塗り・乾燥後研磨紙ずり 下塗り用パテ、上塗り用パテ
4-2.上パテ塗り・乾燥後研磨紙ずり 上塗り用パテ    
4-3.平滑度点検・4-2の作業で修正 上塗り用パテ      
5.下地色違いの修正(必要な場合) カラーシーラーを標準とする        
3・11  石こうボード・テー パーエッジボード面 の下地認整
石こうボードのテーパーエッジボード面の下地調整は、表3・5により、面の平滑 化は、平滑度の要求1ご応じて表3・5各級の作業を行う。(標準施工図3・11・1)

表3・5 石こうボード・テーパーエッジボード面の下地調整

作 業

資材等

1級

2級

3級

4級

1. 面の清掃  
2. 釘、ビス頭の防サビ処理 防さび剤
3-1. 下パテ塗り 下塗り用パテ
3-2. ジョイントテープ張り 紙又はガラス繊維布製テープ
3-3. 中パテ塗り・乾燥後研磨紙ずり 下塗り用パテ

3-4. 上パテ塗り・乾燥後研磨紙ずり 上塗り用パテ
3-5. 平滑度点検・3-4の作業で修正 上塗り用パテ

   
3-6. 平滑度点検・3-4の作業で修正 上塗り用パテ

     
4. シーラー塗布 エマルション型を標準とする
5. 下地色違いの修正(必要な場合) カラーシーラーを標準とする        
3・12 石こうボード・ベベルボード等の下地調整
 
石こうボードのベベルボード面の下地調整は、表3・6により、面の平滑 化は、平滑度の要求1ご応じて表3・6各級の作業を行う。(標準施工図3・12・1)

表3・6 石こうボード・ベベルボード等の面の下地調整

作 業

資材等

1級

2級

3級

4級

1.面の清掃  
2.釘、ビス頭の防サビ処理 防さび剤
3-1.下パテ塗り 下塗り用パテ
3-2.ジョイントテープ張り 下塗り用パテ 、上塗り用パテ
3-3.中パテ塗り・乾燥後研磨紙ずり 上塗り用パテ  
3-4.上パテ塗り・乾燥後研磨紙ずり 上塗り用パテ    
3-5.平滑度点検・3-4の作業で修正 上塗り用パテ

     
4.シーラー塗布 エマルション型を標準とする

5.下地色違いの修正(必要な場合) カラーシーラーを標準とする        
3・13  ケイカル板等吸水性 大の下地基材面の下 地調整
 
ケイカル板等吸水性大の下地基材面の下地調整は、表3・7により、面の平滑化は、平滑度の要求に応じて表3・7各級の作業を行う。なお、パテ施工部分には原則としてシーラー塗布を行う。(標準施工図3・13・1)
表3・7 ケイカル板等吸水性大の下地基材面の下地調整

作 業

資材等

1級

2級

3級

4級

1.面の清掃  
2.釘、ビス頭の防サビ処理 防さび剤
3.シーラー塗布 エマルション又は溶剤型シーラー
4-1.パテ塗り・乾燥後研磨紙ずり 下塗り用パテ、上塗り用パテ
4-2.上パテ塗り・乾燥後研磨紙ずり 上塗り用パテ  
4-3.平滑度点検・4-2の作業で修正 上塗り用パテ    
5.下地色違いの修正  カラーシーラーを標準とする        
3・14  金属基材面の下地調 整
1. 金属基材面の下地調整は、表3・8により、面の平滑化は、平滑度の要求に応じて表3・8各級の作業を行う。なお、パテ施工した部分には原則としてシーラー塗布を行う。
2. 金属基材がパーティション等で、継ぎ目をパテ施工して平滑にする場合のパテの 施工方法は、3・12石こうボード・ベベルボード等のパテ塗に準ずる。
3. 金属基材面に接着性を確保するためのシーラー塗布、又は、下張りをする場合は、 防火壁紙の施工では、表3・8の5・1シーラーの塗布量は固形換算量で50g/㎡以 下とする。また、表3・8の5・2下張りを行う場合は、下張り紙は25g/㎡以下で、ベタ張りに用いる接着剤は20g/㎡(固形換算量)以下とする。 (標準施工図3・14・1)
表3・8 金属基材面の下地調整

作 業

資材等

1級

2級

3級

4級

1.面の清掃 油脂分ある場合は洗剤を用い拭き取る
2.防サビ処理 必要に応じ防さび剤を塗布        
3.シーラー塗布 エマルション又は溶剤型シーラー
4-1.パテ塗り・乾燥後研磨紙ずり 上塗り用又は上・下共用パテ
4-2.平滑度点検・4-1の作業で修正 上塗り用パテ    
4-3.平滑度点検・4-1の作業で修正 上塗り用パテ      
5-1.シーラー(接着補強用)塗布 酢ビ系・アクリル系重合樹脂        
5-2.下張り紙ベタ張り 透湿性ない壁紙張りに適用