第三編 情報・資料

壁紙標準施工法(平成14年2月7日壁装施工団体協議会制定)

第7章 防火壁装材料の施工要領 (第1節~第3節)

本章は、有限責任中間法人日本壁装協会が防火壁装材料の施工方法として定めたものである。本標準施工法ではその全文を「第7章」として収録する。

本施工法は、有限責任中間法人 日本壁装協会(以下「協会」という。)がJISマーク表示認定工場で製造しJISマーク表示された壁紙および国土交通大臣よりホルムアルデヒド発散等級の認定を受けた壁紙で、なおかつ協会の検索システムに登録した防火壁装材料の標準的な施工に関し必要な事項を定めたものである。なお、認定条件に関わる部分は太字で示す。

第1節 一般事項

7・1 適用範囲

 
本施工法は、建築物の内装の壁・天井・間仕切り等に防火壁装材料を張って仕上げる場合の一般的方法であり、工事に特に指定がないものの場合に適用する。
7・2 張り工法
 
張り工法は直張りを原則とする。止むを得ない状況のため下張りが必要な場合は施主または現場監理者の指示を得て行う。
7・3 使用する防火壁装材料の確認事項と注意点
 
シックハウス対策品を確認する場合は、次の事項に注意する。
(1) 使用する壁紙や接着剤がJISマーク表示品またはホルムアルデヒド発散等級の大臣認定を受けたものであるかどうかの確認(F☆☆☆☆の表示マークの確認)
(2) 下地基材のホルムアルデヒド発散等級の確認
7・3-2
 
防火壁装材料を確認する場合は、次の事項に注意する。
(1) 下地基材との組合せにより認定された防火性能と認定番号
(2) 張り合わせる下地基材の防火性能
(3) 認定されている施工方法(直張り、下張りぐ金属板に認められている張り方、接着剤の種類及び配合率と塗布量、その他施工方法についての条件など)
(4) 認定を受けた防火壁装材料であっても認定条件どおりに仕上げなければ防火材料とは認められない。
(5) 使用する防火壁装材料が、内装制限の防火性能に適合するものであることを確認する。
7・4 設計意図の確認
 
仕上りについて設計意図の指示が不明確の場合は、施主または現場監理者を通じ、設計意図を確認する。
7・5 疑義
 
材料および施工方法等の指示に疑義がある場合、その他明確にされないことで疑義が生じた場合は、施主または現場監理者と協議し、その指示をうける。
7・6 変更
 
止むを得ない事情による材料の変更および施工方法の変更は、施主または現場監理者と協議のうえ、その指示によって行う。
7・7 工期
 
工期は、工程書を添えて施主または現場監理者に提示し承認をうける。
7・8 施工の立会いおよび検査
 
(1) 施工は原則として各工程ごとに施主または現場監理者の立会い、あるいは検査をうける。ただし、監理者の承認がある場合はこの限りではない。
(2) 施工完了後は、施主または現場監理者の検査をうける。
7・9 防火壁装材料の表示
 
防火壁装材料で仕上げがなされた場合は、同一材料につき一区分ごとに2ヶ所以上、協会指定の防火施工管理ラベルを貼付する。
7・10 換気・通気の励行
 
規制対象化学物質を低減するため、施工中・施工後の適切な換気・通気の励行を心がける。
7・11 養生
 
防火壁装材料仕上げの面の損傷を防ぎ、既成部分の保護を行うために、適切な養生をする。
7・12 災害および公害の防止
 
関係法規に従い災害および公害の防止に努める。
7・13 清掃および跡片付け
 
工事の終了後は、跡片付けし、清掃する。

第2節 材料類および下地基材

7・14 登録防火壁装材料の原則的条件
 
(1) 防火壁装材料の品質については、JIS A 6921の規格に適合し、JISマーク表示されたもの又はそれと同等の品質を有し、ホルムアルデヒド発散量が規制対象外の大臣認定を受けたもの又は第3種の大臣認定を受けたものとする。(なお、退色性、耐摩擦性については、商品の特性上やむを得ない場合は、JIS規格に適合しないことを明記すること。)
(2) 品質管理については、製造業者自身の責任において行う。
(3) 防火壁装材料の安全性については、製造業者自身の責任において行う。
①ホルムアルデヒドJIS A 6921の規定値以下であること。
(4) 裏打用接着剤
①品質については、防火性能を損なう恐れのあるもの、有害な化学物質を含有するもの、接着後に経時劣化を生じ易いものおよび悪臭を発生するものを使用しないこと。
②ホルムアルデヒドをはじめとする揮発性化学物質の放出が極めて微小であり、かつ永続しないこと。
7・15 下地調整材の原則的条件
 
品質については、防火性能を損なう恐れのあるもの、有害な化学物質を含有するものを使用しないこと。
ホルムアルデヒドをはじめとする揮発性化学物質の放出が極めて微小であり、かつ永続しないこと。
これらの製品について、安全性に影響が出ると思われる場合には、原材料等に関し製造者が発行する製品安全データシート(MSDS)等により内容を確認すること。

(1)

パテは成分中に含まれる有機質量が10%以下、希釈は水によるもので、パテと接する防火壁装材料を浸したり、変色させることのないもので、次のものを用いる。
  表7・1

材料の形態

用 途

備 考

ペースト状 上塗り 薄付け用に適す
下塗り 厚付け用に適す
上塗り・下塗り 薄付け・厚付け可能
粉末状 上塗り 薄付け用に適す
下塗り 薄付け・厚付け可能
上塗り・下塗り 薄付け用に適す
ペースト状および粉末状 全面塗布 刷毛、ローラーにて薄付け可能のもの

(2)

シーラーは耐アルカリ性、耐候性、耐熱性、耐水性があり、下地に対して付着性の良いエマルションタイプの製品を用いるのを原則とする。
  表7・2

種 類

タイプ

蒸発残分

pH

希 釈

酢酸ビニル樹脂系 エマルション(水性)

15%以上

4~9

希釈率が明確にしてあること
アクリル樹脂系 エマルション(水性)

15%以上

4~9

エチレン酢酸ビニル樹脂系 エマルション(水性)

15%以上

4~9

シリコーン系合成樹脂 液状

100 %

  原液使用

(3)

下張り紙
ベタ張り(繊維製壁紙及び塩化ビニル壁紙で下張り工法を認定条件に含むもの)ベタ張りに使用する下張り紙は、和紙系又はクラフト紙で質量はおおむね35g/㎡の難燃処理をしたもので、その難燃性についてはJIS A 1322に規定された試験方法により、30秒加熱をした場合、防炎2級以上の性能を有すること。
袋張り(繊維製壁紙で下張り工法を認定条件に含むもの)に使用する下張り紙は、和紙系又はクラフト紙で質量はおおむね35g/㎡の難燃処理をしたものであり、おおむね150mm×230mmに裁断して用いる。
なお、その難燃性についてはJIS A 1322に規定された試験方法により、30秒加熱をした場合、防炎2級以上の性能を有すること。
7・16 接着剤
 
(1) 接着剤は、JIS A 6922の品質規格に合格し、JISマーク表示されたもの、もしくはこれと同等の品質を有し、ホルムアルデヒド発散量が規制対象外の大臣認定を受けたものとする。
(2) 壁張りに用いる接着剤の安全性については、揮発性有機化合物ならびに人の健康に害悪を及ぼす化学物質を含まないものを使用する。
(3) 接着剤の種類と使用法は、下記の種類と状況および防火壁装材料の種類との組合せによって使い分ける。
  表7・3

種 類

タイプ

蒸発残分

 pH

希釈剤

適 用

1種でんぷん系接着剤 ペースト・粉末

18%以上

 4~8

JISマーク表示品または規制対象外の大臣認定品
2種1号接着剤(1種の材料に合成樹脂エマルションを配合し施工時に希釈して使用するもの)  

18%以上

4~8

2種2号接着剤(1種の材料に合成樹脂エマルションを配合し施工時に希釈しないで使用するもの)  

12%以上

4~8

無し

   合成樹脂系エマルションとは、酢酸ビニル樹脂エマルション、エチレン酢酸ビニル樹脂エマルション、アクリル樹脂エマルション等をいう。
7・17 補強材
 
表7・4

種 類

タイプ

蒸発残分

 pH

希釈剤

適 用

アクリル樹脂系 エマルション(水性)

45%以上

4~8

でんぷん系のりとの相溶性がよいことJISマーク表示品または規制対象外の大臣認定品(注)
エチレン酢酸ビニル樹脂系 エマルション(水性)

45%以上

4~8

酢酸ビニル樹脂系 エマルション(水性)

45%以上

3~6

(注)JAIA(日本接着剤工業会)でF☆☆☆☆の登録をしたものも含む。

7・18 防火壁装材料の下地基材の種類
 
防火壁装材料に用いられる下地基材は、国土交通大臣が定めたものとする。
不燃材料 建築材料の内、不燃性能に関して政令で定める技術基準に適合するもので、国土交通大臣が定めたもの又は国土交通大臣の認定を受けたもの。
準不燃材料 建築材料の内、通常の火災時における加熱が如えられた場合に、加熱開始後10分間第108条の2各号(建築物の外部の仕上げに用いるものにあっては、同条第1号および第2号)に掲げる要件を満たしているものとして、国土交通大臣が定めたもの又は国土交通大臣の認定を受けたもの。
難燃材料 建築材料の内、通常の火災時における加熱が加えられた場合に、加熱開始後5分間第108条の2各号(建築物の外部の仕上げに用いるものにあっては、同条第1号および第2号)に揚げる要件を満たしているものとして、国土交通大臣が定めたもの又は国土交通大臣の認定を受けたもの。

第3節 下地調整

7・19 下地調整の共通事項
 
(1) 工事に先立ち、照明器具およびコンセントのカバー、その他壁張りに支障のあるものを取り外す。
(2) 基材表面の汚れおよび埃などをきれいに取り除く。
(3) 基材表面にマジック、チョークその他で記入されている場合は、これを十分に消し去る。
(4) 継ぎ目の目違い、隙間、不陸、釘、ねじ類その他基材表面の凸凹等はパテをかけサンダーで平滑化する。
(5) 張替え作業を容易とするため、張り下地の表面全面にシーラー塗布をする。
(6) 張替えの際は、壁装材料をきれいに取り除き下地基材が完全に見える状態にしてから施工する。
(7) 下地基材面の隙間は、コーキング剤等の詰め物を用いて埋める。
7・20 金属板下地の接着面調整
 
(1) シリコーン系シーラー、アクリル樹脂系エマルションシーラー、エチレン酢酸ビ.ニル樹脂系エマルションシーラー、酢酸ビニル樹脂系エマルションシーラーを平均に塗布する。
使用制限量は固形換算量で50g/㎡を超えないこと。
(2) エチレン酢酸ビニル樹脂系エマルション20g/㎡(固形換算量)以下を用い、25/㎡以下の下張り紙をベタ張りにする。