第三編 情報・資料

壁紙標準施工法(平成14年2月7日壁装施工団体協議会制定)

第7章 防火壁装材料の施工要領 (第4節~第6節)

第4節 下張り工法

7・21 下張り工法の種類と防火壁装材料

 
防火壁装材料の下張り工法は次の2種類とし、適用が認められている材料は( )内に示す通りである。
(1) ベタ張り(繊維製壁紙および塩化ビニル壁紙で下張りエ法を認定条件に含むもの)
(2) 袋張り(繊維製壁紙で下張り工法を認定条件に含むもの)
7・22 ベタ張り
 
(1) ベタ張りに用いる下張り紙は7・15(3)の①に規定するものとする。
(2) 接着剤は表7・3に規定するものとし、その配合は施工用接着剤に準ずる。
(3) 袋張りに用いる接着剤の質量は施工用接着剤の質量に含まれる。
(4) 張り工法は、所要の寸法に裁断した下張り紙の全面に接着剤を塗布し、下地基材に張り付け密着させる。
7・23 袋張り
 
(1) 袋張りに用いる下張り紙は7・15(3)の②に規定するものを、おおむね150×230mmに裁断して用いる。
(2) 接着剤は表7・3に規定するものとし、その配合は施工用接着剤に準ずる。
(3) 袋張りに用いる接着剤の質量は施工用接着剤の質量に含まれる。
(4) 下張り紙ののりしろはおおむね5mm幅とし、これを30mm程度重ねて張りつないで下張りする。(防火壁装材料標準施工図参照)
(5) 袋張りは、おおむね15㎡ごとに区切り、区分ごとの周囲はおおむね60mmの逃げしろをとる。
(6) 防火壁装材料のジョイント部分には、7・15(3)の②に規定する下張り紙を、おおむね120mm幅に裁断して全面に糊付けし、張り付け、補強をする。

第5節 張り工程

7・24 材料の点検
 
設計仕様書並びに施工図面に基づき、所要材料の種類、数量を算出し、その量に不足がないよう次の項目について点検する。
(1) 材料の銘柄、色、柄、テクスチャー、素材等が指定どおりのものであること。
(2) 数量に不足がないこと。柄あわせの切りムダ分も含む。
(3) 色合わせの確認。幅の左右と巻き始めと巻き終わりの色の比較検討とロット番号の確認。
(4) 柄合わせの確認。柄の大きさ、柄のピッチが一定しているか否かの検討。
(5) 織段、織むら、プリントむら、シボむら、キズの有無の確認。
7・25 試験張り
 
下地基材の種類、防火壁装材料の種類に合わせた接着剤を選定し、試験張りを行ったうえで施工する。
7・26 割付け
 
割付けは、設計図書が示す割付け規準線を基に、設計図書が指示する柄合わせの幅を割付ける。この指示が明確でない場合は、施主または現場監理者の承認を得て、次のような一般的方法により割付ける。
(1) ジョイントの種類を決める。
①突き付け ②重ね張り ③目透し
(2) 材料の柄リピートの確認
(3) 壁面、天井などの一番目立つ部分を優先にし、目立たない部分で逃げるようにする。そして、なるべく左右均等になるように注意する。
(4) 目立つ部分に細物を入れない。
(5) 部屋に柱などが張り出している場合は、柱の表面にジョイント部がこないよう割り出す。
7・27 材料の裁断
 
(1) 材料の長さの方向は、張る面の寸法より若干長めに断つ。
材料が柄物の場合は、柄合わせに必要な柄のリピート分を更に加えた長さで断つ。
(2) 幅の裁断は次のいずれかによる。
突き付けに張る場合は、材料の柄合わせの線と所要の寸法を正確に求め、狂いや曲がりなく断つ。
重ね張りするときは、重ね合わせた場所の柄合わせに狂いがないよう寸法を求めて断つ。
重ね断ちは、下地基材が石膏ボードの場合は、必ず下敷きを当てて断ち、基材表面に刃を当てない。
7・28 接着剤の配合
 
接着剤の配合は、JIS A 6922の品質規格に合格し、JISマーク表示されたもの、もしくはこれと同等の品質を有し、ホルムアルデヒド発散量が規制対象外の大臣認定を受けたでんぷん系接着剤を水で希釈したものを標準とする。下地基材の種類、防火壁装材料の種類によりアクリル系共重合樹脂、エチレン酢ビ共重合樹脂または酢ビ系共重合樹脂を補強剤として混ぜて使う。その際の配合率はでんぷん80部に対して20部までとし、これを水30部で希釈したものを使用する。これ以上の補強剤の配合は塗布後の放置時間が、非常に短くなるので注意すること。
7・29 接着剤の塗り方
 
(1) 接着剤の塗り方は、濃い目ののりを用い、むらなく平均につける。
(2) 接着剤の使用量は、180g/㎡〔60g/㎡(固形換算量)〕以下であること。
(3) 塗布後の放置時間は、防火壁装材料と接着剤の種類に合わせてとる。
7・30 張り工事
 
(1) 張り出し
防火壁装材料は割付けに基づいて張り出し規準線を出し、これに合わせて正確に
張りつける。壁面の張り出し規準線は下げ振りを用いて垂直線を求める。防火壁装
材料を重ね張りする場合は原則として光の入る側から張り始める。
 
(2) 撫で付け
撫で付けは、材料の中央部から外へ向けて、材料の裏面に気泡が残らないようていねいに撫でて張り付ける。
 
(3) コーク差し
防火壁装材料のへりの部分は、状況によりコークボンドを差して押さえる。
 
(4) 柄合わせ
防火壁装材料は柄を合わせて張り進むが、部分のみでなくたえず全体の仕上りを確かめながら張る。
 
(5) ジョイント
ジョイントはローラーでていねいに押さえる。
 
(6) 切り付け
切り付けば見切りの線を求めながら、ていねいに正しく切り付ける。
 
(7) のりの拭き取り
既成部分、防火壁装材料の表面などにのりが付いた場合はきれいに拭き取る。
(8) 仕上げ
取り外レた器具類は元に納め仕上げる。
7・31 養生
 
施工後は、急激な乾燥を避け適切な養生を行う。

第6節 防火壁装材料標準施工図

7・32 材料
 
壁紙の品質・物性・規格は、JIS A 6921の基準に合格したJISマーク表示品、もしくはこれと同等の品質を有し、ホルムアルデヒド発散量の大臣認定を受けたものとする。接着剤は、JIS A 6922の品質に合格し、JISマーク表示されたもの、もしくはこれと同等の品質を有し、ホルムアルデヒド発散量が規制対象外の大臣認定を受けたものとする。
7・33 下地調整
 
基材(下地)の継ぎ目、釘またはビス跡その他の凹凸などの平滑化、シーラーは、張り替え作業を容易とするため、張り下地の表面全体に塗布する。図中の基材とは、指定の法定防火材料を指す。
7・34 下張り工法の下張り(ベタ張り・袋張り)
 
(1) 下張りに用いる下張り紙は、和紙系のものであって、その難燃性についてはJIS A 1322に規定された試験方法により、30秒加熱をした場合防炎 2級以上の性能を有すること。
(2) 下張り工法に用いる接着剤の使用量は、施工用接着剤の重量(固形換算量で60g/㎡)に含まれる。
(3) 基材とは、指定の法定防火材料を示す。
 

図2-3 袋張りの逃げしろの取り方
7・35 天井の張り要領
 
(1) 張り工法は直張りを原則とする。やむを得ない状況のため下張り工法が必要な場合は施主または現場監理者の指示を得て行う。
(2) 天井と壁に壁紙を張る場合は天井から先に張る。
(3) 壁紙は天井の隅から壁の方へ約10mm余して張り、厚手の壁紙やビニル壁紙の場合は隅に定規をあてて切り離し、壁用の壁紙を下から突付け張りにする。(図3-2)
薄手の壁紙や紙壁紙の場合は、壁に余した部分の上から重ね張りする。(図3-3)
(4) 接着剤は壁紙に塗布してから適当なオープンタイムを置き、水分を均一になじませて張る。ただし、接着剤の使用量は固形換算量で60g/㎡以下とする。
(5) 基材とは、指定の法定防火材料を指す。
   

 

7・36 壁の張り要領
 
(1) 張り工法は直張りを原則とする。やむを得ない状況のため下張り工法が必要な場合は施主または現場監理者の指示を得て行う。
(2) コンクリート打ち放し、モルタル仕上げ、プラスター仕上げ等の場合は、平滑化を行ない、汚れ、付着物、塵あいなどを除去し、充分乾燥させてから張る。
(3) 接着剤は壁紙に塗布してから適当なオープンタイムを置き、水分を均一になじませて張る。ただし、接着剤の使用量は固形換算量で60g/㎡以下とする。
(4) 上から下に向かって張り、周囲の切り付けは定規をあてて、ていねいに切り離す。
(5) 基材とは、指定の法定防火材料を指す。
   


附則
1. 本標準施工法に疑義が生じたときは、技術委員会の判断による。
2. 本標準施工法の改廃は、技術委員会の助言により、理事会が議決する。