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タイルカーペット
 タイルカーペットは、ロール、ピースとは異なり、定形(主流は50cm×50cmのサイズ)のタイル状のため、施工の容易性や互換性が評価され、また、昭和60年代の大都市におけるインテリジェントビルの建設ブームにより需要が拡大した。
2. 4. 1 タイルカーペットの構造と特徴
オフィスのOA化とともに、オフィスを中心に急激にタイルカーペットが普及した。ロールカーペットに比べて、以下の優位点がある。
二重床やフラットケーブルに対応できる。
材料の搬入や取り扱いが容易である。
タイル状のため、施工が容易である。
激しく汚した場合など、部分的張り替えができる。
オフィスのレイアウト変更に、自由に対応できる。
 国産タイルカーペットのサイズは、一般的にコントラクト向けは50cm角、家庭向けは40cm角である。欧米では18インチ(45.7cm)角や36インチ(91.4cm)角がある。
 タイルカーペットは、一次基布にパイルをタフトした生機にPVCを張り合わせて、これを裁断しタイル状にしたものが一般的である。タイルカーペットの構造の一例を図-22に示す。
 代表的なタイルカーペットの製造方法は、PVCペースト加工である。この加工方法はPVC以外の樹脂においても利用できることが多い。
 これ以外の製造方法にボンデッド法があり、パイル糸を基布に加工すると同時にバッキングする方法である。
 

2. 4. 2 タイルカーペットの種類
(1) パイル素材
 タイルカーペットは、オフィスを中心としたコントラクト市場での使用が主流のため、パイル素材には耐久性に優れたBCFナイロンが多く使用されている。しかし、昨今の安価品の採用により、ポリプロピレンのパイル素材のものも増えている。
 他に住宅向けのタイルカーペットも市場としてあり、ナイロン以外にポリプロピレンやポリエステル、アクリル素材のパイルもある。
 限られた市場だが、高級感を演出するウール素材のものもあり、役員応接室や会議室等で使用されている。また、ゴルフ場等のスパイクシューズで歩行する場所向けに、ナイロンやポリプロピレン、獣毛等を混紡した繊維をニードルパンチし(獣毛タイプに仕上げる)、ビチューメンをパッキングしたタイルカーペットもある。
 
(2) テクスチャー
 タイルカーペットに使われる生機はタフトされたものがほとんどである。テクスチャーの種類ではループパイルとカットパイルでは圧倒的にループパイルが多く、特に1/10Gのレベルループが最も多い。他にハイ&ローループ、カット&ループ、レベルカット、サキソニー等がある。
 最近はより意匠性を向上させたものが開発され、数種類のパイル長をもち、加えてタフトするニードル(針)がシフトすることで複雑なテクスチャーになる"グラフィック系(デザインタイル)"と呼ばれるタイプもある。
 タイルカーペットはコントラクト市場に多く使用されているため、耐久性が必要である。したがって、パイル密度も一定以上を必要とされ、タフトの規格としては、1/10Gのものが多くある。
 また、太い糸や特殊な糸を使用する場合、タフト時に不具合が生じるため1/8Gの規格にしたものや、意匠性の向上や、特殊な用途向けのものにはより高い密度の1/12Gや1/13Gの規格のものがある。
 他にニードルパンチタイプ(フェルトタイプ、ヘアタイプ)、電植タイプ、織物タイプがある。タイルカーペットの始まりであるニードルパンチタイプ(バッキングはビチューメン)は、耐スパイク用としてゴルフ場に使用されたが、現在ではスパイクレスシューズの出現で減少している。織物タイプには、サイザル麻の平織が公衆浴場の脱衣場等で使用されており、また、籐や竹使いのものもある。
 色やデザインについては、主要ニーズがオフィス市場のため無地調が主流だが、アミューズメント施設や公共施設での市場が伸びているため、多色感のものや、プリントものの採用も増えている。
 
(3) バッキング材の種類
タイルカーペットのバッキング材による区分は、以下の通りである。
 
表2-5
 

タイルカーペットのバッキング材

 塩化ビニル樹脂(PVC)
 オレフィン樹脂(APAO)
 ビチューメン(アスファルト系)
 ウレタン樹脂
 その他
 
 現在、国内で生産されているタイルカーペットのバッキング材は、加工面、物性面、コスト面で圧倒的な優位性のある塩化ビニル樹脂がほとんどである。しかし、塩化ビニル樹脂はハロゲン含有樹脂のため、燃焼時を考慮し、ハロゲンを含んでいない代替樹脂としていくつか材料がある。オレフィン樹脂(非晶性ポリプロピレン:APAO)、ウレタン樹脂(発泡タイプ)、SBRラテックス、ポリエチレン(発泡タイプ)、アクリル樹脂等がそれである。
 国産初のタイルカーペットのバッキング材はビチューメン(アスファルト系)だったが、加工性、物性面、コスト面等において他の材料と比較し優位性が得られなかったため、少なくなってしまった。その他、家庭用向けに防音効果を向上させるために、フェルトタイプのバッキング材もある。
 

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タイルカーペットの品質
 
 タイルカーペットは、今ではコントラクト市場に欠かせない床材である。品質についても一定以上が求められる。したがって、1998年にJIS L 4406が制定され、現在は次頁表2-6の品質項目が定められている。
 JISには記述されていないが、"目地ケバ"や"目地隙"にも注意が必要である。
         
2 4 4 タイルカーペットの機能
 
タイルカーペットには以下のような機能が付与されている。
 
防炎性能 ---- コントラクト市場に対して基本的な機能である。
静電性能 ---- フリーアクセスフロアの仕上材としては必要な機能である。人体帯電圧1kv以下が主流である。
防汚性能 ---- 土砂等の汚れから防ぐため、フッ素樹脂加工を施しているものが一般的である。糸自体に汚れを見え難くしているものもある。
抗菌性能 ---- 病院や福祉施設等で要求され、抗菌剤を糸に練り込んだり、後から固着せるものがある。
防ダニ性能 ---- 抗菌性能同様に、防ダニ剤を糸に練り込んだり、固着させる。
消臭性能 ---- 不快な臭いを軽減するために消臭剤を加工したもの。昨今問題になっているホルムアルデヒドを吸着分解する機能を持っているものもある。
 
表2-6 タイルカーペット JIS規格 L 4406
 
 

第一種 第二種
幅及び長さ 表示値±0.1%以内(500角時500.0±0.5mm)
直角の程度 表示値±0.1%以下(500角時0.5mm以下)
単位面積当たりの基布上のパイルの質量 350g/㎡以上 250g/㎡以上
パイル糸の引抜き強さ カットパイル 13.0N以上 11.0N以上
ループパイル 24.5N以上 19.5N以上

カット/ループパイル

カットパイル部 13.0N以上 11.0N以上
ループパイル部 24.5N以上 19.5N以上
摩擦を伴った動的荷重による厚さ減少率 15.0%以下 25.0%以下
キャスターチェアーによる幅及び長さの変化率 0.15%以下
熱及び水の影響による幅及び長さの変化率 0.10%以下(ビチューメンは、0.25%以下)
熱及び水の影響による反り 1.5mm以下
帯電性 2.0kV以下
難燃性 残炎時間 たて方向 20秒以下
よこ方向
炭化長 たて方向 10cm以下
よこ方向
パイル糸の染色堅ろう度 耐光堅ろう度 4級以上
摩擦堅ろう度(乾)
パイル糸の油剤及び
溶剤抽出分
紡績糸 毛(混紡を含む) 油脂分1.2%以下

アクリル(アクリル系を含む)、ポロエステル、ナイロンまたはこれらを混紡したもの

油脂分0.9%以下
その他 油脂分1.2%以下
フィラメント 溶剤抽出分0.9%以下
外 観 穴・裂けの欠点  ないこと
汚れの欠点  目立たないこと
補修後の欠点  目立たないこと
その他の欠点  たて筋、よこ段などの欠点が目立たないこと