3.

3

測定基本
 
 カーペットの敷き詰め工事は、施工する場所の形通りにカーペットが合うことが第一の条件である。
 そのためには、施工場所の実測が正確でなければならない。正確な実測は、カーペットのロスを最小限に押え、採算面でも有利にすることになる。
 測定用具は施工する場所に適した用具を用いると良い。
 例えば、方眼紙、鉛筆、消ゴム、巻尺(3.5mもの、5mもの)折尺(1mもの)物差し(30cm)チョークリール等を用意する。
 特に注意することは、室内の実測を例にとると次の点である。
1 扉の下と床下地の間隔
扉が内側に開くときは、少なくとも施工するカーペットの厚さにプラス1mmは必要である。
隙間がない場合は、扉がカーペットにつかえて開閉が不能となる。
また、アンダーレイ(下敷き材)を用いるときは、さらにその厚みを加える必要がある。
2 柱と壁面
柱があれば、その位置(大きさ)、出隅、入隅、および形の確認をし、壁面は平行か戸口の厚さはどうなっているかなどの確認をする。
3 床下地の補修の要、不要
床面のくぼみ、ふくらみ、亀裂等は施工する前に補修しないと、カーペットの寿命を短くする。
施工後、カーペットの表面の下地による凹凸は、クレームの原因となるので必ず補修してから施工する。
4 角度
部屋にゆがみがないか、対角線を測定したりして確認する。
5 施工方法
床下地に接着剤の塗布や釘打ちは可能かどうか、下地の中の配管・配線の位置等も確認して施工法を決める資料にする。
6 カーペットの搬入方法
2階以上に搬入のときは、階段の幅、踊り場の広さ等、高層建築物の上層部にはエレベーターの使用の可否などを下見しておくと、搬入のときにまごつかなくてすむ。
7 現在カーペットが敷かれていれば、その処置
他の場所に移して使う、保管する、捨てるなどの打ち合わせをする。捨てる場合は、産業廃棄物扱いとなる。
 
3. 3. 1 実測要領
       
 室内または廊下の測定に当たって、まず出入口の扉の下にくつずりがあるかないかを確認することである。 くつずりの有無によって巻尺の先端をあてる場所が違う。 これを図解すると、図3-3〜4のようになる。

 
3. 3. 2 室内測定
       
 矢印のところに巻尺の先端をあて室内に伸ばす。

       
 くつずりがないときは、カーペットは扉の厚みの中心部で、廊下側のカーペットと接合する。

       
 図3-8のように、扉の厚みの中心で見切り金物をつけ、接合部分を保護する。
(ダブルベースピン、ビニルインサートタイプの金物を使用する。)
カーペットの厚みが異なる場合によく使用される。

       
 カーペットの施工が室内だけの場合は、扉の厚みの中心に図3-9のような見切り金物を取り付けて、カーペットの端末を保護する。

       
 また、前記の図3-9と同じ目的で、右図のへの字アングル(押え金物)でも扉下でカーペットの端末を押えることもできる。
 図3-7のように、カーペットは扉の厚みの中心部か、または廊下(図3-10)まで敷き込まれるので、測定は図3-3〜6に示すように、戸当たりに注意する。

 

 
(1) 扉の下部と床面の間隔について
 
 間隔が、施工するカーペットの厚さ(アンダーレイ:下敷き材を使用するときは、その厚さも加算すること)よりも少ないと、扉が内開き(室内に向って扉が開く)の場合は、カーペットのパイルに扉の下側がつかえて開閉不能となるので図3-11〜13に示す、各(A)の高さを知る必要がある。

 
(2) 室内の幅と長さの測定について
         
 出入口の部分が入隅になっているときは、入隅のところから室内に向って正しく測る。

 
 図3-15のように幅木から測ると、施工のときに、入隅の分のカーペットが不足する。

 
 扉が内開きのときは、必ず扉が開閉に動作する床面と扉の下端との間隔を測り、床下地に不陸がないか、カーペットがつかえないかを確認する。

 
 図3-17のように、くつずりの高さだけ測ってカーペットの厚さと比較するだけでは、床下地に不陸があっても発見できない。

 
(3) 測定は最大幅と最大長のところを測る
         

 図3-18は、図3-14で示した、出入口部分が入隅になっている部屋の平面図である。
 この場合の測定は、A線が最大幅、B線が最大長である。C線、D線を測ると、施工のとき、壁の厚さ分だけカーペットが不足する。

 
 正方形または長方形の部屋を正確に測ると、必ずしも四隅が直角とは限らない。また、壁面のゆがみもあるので、図3-19のように、幅はA、B、Cの3ヶ所を、長さはE、F、Dの3ヶ所を測って、一番長いところをカーペットの必要量を計算する基準とする。

 
 図3-20に示すような平行四辺形の部屋では、対角を測り四角ではないことを確認し、タテにDの垂線を基準にカーペットの幅に合わせ、割り付けを想定して幅の左右の長さを測り、長い方を採用する。
また、建築平面図や造作図面でも確認する。

 
 室内の床面が廊下の床面より落ち込んでいるときは、巻尺の先端を図の矢印にあてて室内側に伸ばす。
 部屋の中で直角の出し方(ピタゴラスの定理)。
  3 : 4 : 5 (狭い場合は、1.5m : 2m : 2.5m等)や
  5 : 12 : 13 の公倍数を用いる。

         
  3. 3. 3 廊下の測定  
         
    (1) 幅の測定  
       矢印のところに巻尺の先端をあてて廊下側に伸ばす。室内の場合とあてる場所が違うので、もう一度図3-5、6と比べてみる。  
     

 
         
      図3-24は出入口が廊下の壁面と平行なので、A線上を測る。
図3-25は出入口が廊下の壁面よりもへこんでいる。この場合はB線上を測る。
図3-26は出入口の位置が図3-24、25のように、向かい合っていない。また、壁面よりもへこんでいるから、C線上とD線上を測って合計する。
 
     

 
         
    (2) 長さの測定  
       長さは、最大長のところを測れば良い。(図3・27)
もし、曲り角のカーペットの接合を斜めに計画すると、図3-28のように使用する材料の長さが異なり、D、E、Fとd、e、fとを比べてみると、カーペットの使用量は、当然(図3-28)の方が多くなる。
 
     

 
         
3. 3. 4 階段の測定
 
(1) 直進階段
 階段の種類にもよるが、図3-29のような直進階段では、カーペットの必要量は一段ごとに測らずに、布製巻尺で全段を一気に測ると、誤りが少なくて正確である。

 
 また、階段に引き続いて2階廊下にも、カーペットを施工する場合は、廊下のカーペットは図3-30の矢印までとするから、階段のカーペットは、上より2段目の踏み面つまりAよりB、C……と下へ測る。
 階段の幅は、敷き詰めの場合には1段の幅だけでなく4ないし5段測って、その中の一番長い幅を計算基準とする。室内の測定と同様に多少の相違がある。

 
(2) 折れ階段
 図3-.31のような折れ階段のところは、直進階段と同じように上から下まで一気に測定できないので、曲り角の段は格段ごとに計算しなければならない。
測定方法を図3-32に例をとると、
イの段 A線を測って幅の寸法とする。A線から直角にB線を測り、C線を測って合計して長さとする。
ロの段 D線を測って幅とし、E線、F線の合計を長さとする。
ハの段 G線を幅とする。H線、I線の合計を長さとする。
このように、曲り角の段は1段ずつ測らなければならない。曲り角以外の段は、図3-30の方法をとる。
 また、螺旋階段、回り階段の場合は図3-33のように、長さがA+B、幅がD線とすると、左側(内側)の入隅部分(踏面部分)のカーペットが不足するので、C線の長さの幅寸法が必要となる。
したがって、下記の長さが必要となる。
Cの長さ ×

A+Bの長さ