5 2   用途別による接着剤の分類  
        接着剤はロールカーペットやタイルカーペットを固定するために使用するが、カーペットの種類や、施工する場所、使用目的、下地の条件により使い分けをしなければならない。また、ロールカーペットの継ぎ目(ジョイント)処理等をする際にも使用される。

接着剤を使用する用途と使用される接着剤は以下のように分かれる。
 
5 2 1 下地に直接張り付け(直張り)・・・全面接着工法
(1) カーペットの種類による使い分け
1 ロールカーペットの場合
コントラクト市場等の重歩行の場所にロールカーペットを施工する場合、接着剤によりカーペットを強固に固着させる必要がある。

下地が乾燥したモルタル・コンクリートや合板であるため、使用する接着剤は主に『アクリル樹脂系エマルション形接着剤』や『ゴム系ラテックス形接着剤』が使用される。
2 タィルカーペットの場合
タイルカーペットは、カーペットにパッキングを施し、タイル状にすることで、簡単に剥がせて、再施工ができることを可能にした。

したがって、下地に強固に固着させるのではなく、ズレを防止する程度の粘着力をもち、容易に剥がせる"ピールアップ性"の接着剤(『ピールアップ形接着剤』と呼ぶ)が使用される。

ピールアップ形接着剤を塗布する際、塗布量や塗布方法、張り付けるタイミングに注意しなければならない。塗布量が少ないとずれが生じたり、逆に塗布量が多いと剥がしにくくなる。

また、接着剤が十分に乾燥しない状態でタイルカーペットを張り付けると剥がれにくくなる(他の接着剤とは異なる)。接着剤のタイプには、エマルション形以外に、スプレータイプやタイルカーペットの裏面に製造時に事前に塗布した糊付きタイプもある。
(2) 特殊な個所への張り付け
1 垂直面の場合
ロールカーペットを壁面や階段の蹴上げ等の垂直面に施工する場合、強力な初期粘着力がある接着剤でなければずり落ちてしまう。したがって、ロールカーペットの垂直面を含む施工は、強力な初期粘着をもつ両面塗布タイプの『ゴム系溶剤形接着剤』と通常の『アクリル樹脂系エマルション形接着剤』を併用する。但し、タイルカーペットの場合は重量があり、より接着強度の強いものが必要となるので、メーカーの指示に従う必要がある。
2 小面積で歩行量が少なく、簡易的に施工する場合
面積が小さく、歩行量が少ない箇所に施工する場合、圧着するだけ(感圧形)の両面テープを使用して施工することがある。この工法は、比較的伸びの小さいニードルパンチカーペットに採用されることが多い。
※カーペットを施工する際は、メーカー指定の接着剤を使用する。
5 2 2 継ぎ目(ジョイント)用
(1) ロールカーペットの継ぎ目(ジョイント)断面部の処理
織じゅうたんやクッションバックカーペットの継ぎ目部は、パイルの保持力が弱いため、ほつれや抜けが発生しやすくなる。したがって、継ぎ目の断面を「ゴム系ラテックス形接着剤』や『ビニル共重合樹脂系エマル
ション形接着剤』で補強をする。
(2) ロールカーペットの継ぎ目(ジョイント)の接合
ロールカーペットを施工する際、継ぎ目(ジョイント)の接合が必要となる。継ぎ目の接合には、一般に、基材に固形の接着剤が塗布されており、アイロンにより加熱し、溶かしながらロールカーペットに張り付け、冷却することで固めるホットメルト形のテープ(『シーミングテープ』と呼ぶ)を使用する。
5 2 3 補助材用
(1) フェルトの固定用
 グリッパー工法においては、アンダーレイの敷き込みを通常行う。その際、下地とアンダーレイを固定するために接着剤が使用される。但し、全面接着するのではなく、ずれない程度に仮止めする。この時使用する接着剤には『ゴム系ラテックス形接着剤』が多く使用される。

 なお、木質下地の場合に、フェルト類のアンダーレイを固定する場合は、ステープル(釘針)が使用されることが多い。
(2) グリッパー類の固定
 グリッパーの固定には釘を使用するが、釘打ちができない石材や金属等の場合、接着強度の非常に強い『エポキシ樹脂系接着剤』を使用または併用する。

 但し、充分な強度が得られるまで施工できないので注意が必要である。