第6章 施工法
  カーペットの施工方法は、カーペットの種類、使用目的、要求される機能および床下地の条件等によって異なるが、これを表にすると、およそ次のようになる。
  ◎印の方法が最も一般的である。


表6-1 カーペットの敷き方

 

6.1 置き敷き工法
 置き敷きとは読んで字のごとく、カーペットを床に置くだけで、代表的なのが中敷き、ピース敷きである。これは、部屋の形に合わせて敷く敷き詰め(WalltoWall)工法にも使われる。
 例えば、施工場所の床下地が大理石、寄木張、床暖房されている場所、畳等で、釘止めして床を傷付けたり、接着剤を塗布して汚したりしてはいけない場所、あるいは、季節によってカーペットを取りはずしたい場合などには、この方法を用いる。しかし、使用頻度の多いところではカーペットがずれる心配があるので、この方法は避けたほうが良い。
(1)置き敷き敷き詰め工法
1) 部屋の大きさ、形状にカーペットを切り合わせて周囲を端末処理(オーバーロック加工やテープ掛け工法)をして敷き込む方法
2) カーペットの最大織り幅以上の広い部屋の場合

イ) 不足部分を接合(ジョイント)してから端末処理をする。

ロ) 不足部分には同じカーペットを色、柄、毛並みを合わせて切り合わせる。
接合部分は5〜6cm程度重ねる。(大きくしておく)
端末処理加工は接合部分を除く他の辺(3方向)とする。
カーペットを部屋に合わせて敷き込み、最後に調整しながら接合する。
(2)置き敷き敷き詰め工法(周囲折り込み仕立て)〜アンダーレイ使用〜
施工するカーペットの周囲を3〜5cm折り込んで、部屋の形に合わせて敷き詰める工法である。
1. 床下地の清掃、点検
2. 床面の亀裂やへこみ、ふくらみ等があれば補修する。
3. ワックスが塗布されている場合は、濡れ雑巾で拭いて除去する。これを怠ると、施工後にカーペットがずれるおそれがある。
4. カーペットの仮敷き。(36頁参照)実測寸法より10〜15cm程度大きくカットする。
5 周囲の折り込みしろは3〜5cm程度とする。
6. 一番長い直線部分の壁面側を裏返して、端より均一に7〜8cmの位置に印を付ける。(織カーペットの場合は、織り筋やシメ糸を目安にする。タフテッドカーペットは、5〜10㎜程度パイルの筋を通してカット(修正切り)をして、改めて7〜8cmの位置に表面よりパイルを毛分け、筋を入れて、これを目安にして裏面に印を付ける。印の間隔は、30〜40cm位で良い。
7. 裏面の印を結んで線引きをする。端からこの線の部分まで両面塗布用接着剤(ラテックス等)を塗布して、オープンタイムをとり、線引きに合わせて折り返し圧着する。(図6-4、5参照)
8. カーペットを元に戻して、壁面に合わせて位置決めをする。この時に壁面とカーペットの隙間など部分的に修正する。
9. 残り3方向は、立ち上げたカーペットを手前に折り返す。(指先で押しつけて、幅木いっぱいに曲げる)
10. 鉛筆の先1本分2〜3㎜程度幅木より離して鉛筆を差し込んで左右に1cm程度動かしてカーペットの裏面に印を付ける。(図6-1)
 

 鉛筆は三方向を削り、一辺の木の部分は幅木(壁)側になるようにする。

(1) 幅木(壁面)の汚れ防止   印の間隔は30〜40cm位にする。
(2) 芯の折れを防ぐため    (鉛筆は、B〜2B程度)
11. 出隅の部分は余裕を持ってカットすること。(図6-2、3)
出隅部分まで正しく切り込むこと(カッターナイフまたは鋏を使う)。
<部屋の隅の場合>

<部屋の中程にある場合>
出隅部分の壁面に平行に折り返す。
(1) 出隅部分に対して45°の角度で斜めにカット(10cm程度)。
(2) 切る方向に注意。
壁に接している部分に(斜めに)45度の角度でカット線を入れる。
(3) 鉛筆等で仮線を入れると間違いは少ない。
(4) 体の位置は矢印の方向が良い。

 

 

12. 出隅、入隅部分も含めて残り三方向すべての壁面の線をカーペットの裏面に印を付ける。
13. カーペットを移動させないように注意して、一辺ずつ裏返してカーペットの内側(中心部分)に5〜6㎜(カーペットのパイル長程度)離して直定規(鋼尺)を置き、鉛筆で線引きする。(図6-4)


 
14 カーペットの折り返し線を入れた後で、壁面の印に直定規を置く。(カーペットの端部分)印より定規の幅分を残してカットする。(図6-5)


15. 線引き部分からカーペットの端まで約7〜8cm幅でラテックス(両面塗布用接着剤)を塗布する。(図6-6、7)
オープンタイムの経過後折返し線に合わせて接着、圧着する。


     

 

16. 入隅部分は左右から折り返し部分の合った部分で2枚一度にカットする。(図6-8)


    
   

17. カーペットを元に戻して出隅、入隅部分、幅木部分(壁面)の納まりを確認する。壁面(幅木部分)は、パイルがあたる程度が良い。
18. 最初に折り返した側より、カーペットを2分の1程度まで裏返しにする。アンダーレイを敷き込む。壁面は50㎜程度離して(空けて)敷き込む。(図6-10)

19. 静かにカーペットを表に返して、壁際に納め、特に出隅、入隅の部分に隙間がないか不陸がないかを点検する。(図6-11)

 


 

20. 幅木回りは、カーペットが幅木の下側で水平に一直線に納まるように、目打ちの先端で幅木を傷付けないように、注意しながらしごいて仕上げる。(図6-12)


 

21. しわ、たるみがあるときは、図6-13のようにカーペットの巻芯を1m位に切って、雑巾がけするように表面をこすって周囲に押し伸ばす方法が良い。

 

22. しわ、たるみ、汚れ、傷等がないか点検して清掃する。(接合作業のあるときは勿論、接合箇所の隙間、不陸、パイルの不揃い等も点検する。)(図6-14)カーペット搬入時に折り曲げると、その折りぐせがしわ、たるみの原因となりやすいので、搬入方法も考慮しないとクレームの原因となる。
 

23. 部屋または廊下に柱があるときは、(図6-15)
柱回りのアンダーレイは折り込みしろだけあける。
カーペットは柱の手前で壁面と平行に裏返しする。((図6-14)
円柱の中心部分に合わせてカッターナイフでカーペットに切り込みを入れる。

 

24. カーペットで柱を抱くように広げて、柱回りを図6-16のように鋸歯の形に切り込んで柱回りに沿わせる。鋸歯形の切り込みが大きすぎると、次の折り込み工程で柱回りに沿いが悪く隙間ができる。
 

25. 柱回りを折り込み仕立てにする。
図6-17は、折り込み完成の裏側からのでき上がり状態である。
 

26. 接合部分の接合作業
アイロンと接着テープ 参照3-5-4(1)
手縫い 参照3-5-4(2)
テープと接着剤 参照3-5-4(3)
(3)置き敷き敷き詰め工法の留意点
(1) カーペットの引き伸ばし作業がなく、置かれたままの状態であるために接合(ジョイント)部分のつき合わせ部分は密着していること。
わずかのたるみ、ふくらみは接合後には修正できない。
カーペットの中央部分のわずかなふくらみは、使用することによってなくなるが、接合部分のたるみ、ふくらみ、段差は、最後までなくならない。
シーミングテープ(ヒートボンドテープ)使用の場合は、完全に硬化するため、わずかな移動や無理ができないので、接合することよりも修整切り(ジョイントのためのカット作業)が、でき上がり状態の良・否を左右する。
(2) 床暖房のある場合
部分的暖房(パネル板等)の場合には、できるだけ接合部分が熱源パネル板の上にならないように配慮する。
部分的暖房の上で接合しなければならない場合、「接着剤とテープ」で接合するときの接着剤はラテックスは不適である。こんな場合は、両面塗布用溶剤形接着剤を使うようにする。