第2編 技能と実務
概 要
 壁装の施工は壁紙直張り工法が最も一般的であり、その他の工法は特殊な場合に限られている。このた、本編ではもっぱら直張り工法について記述し、その他の工法では、下張り工法の概要を述べるにとどめる。
 壁装は建築工事においては最終の仕上げ段階に属し、その仕上がりを左右する重要な存在である。インテリアにおいてはその質を決定づける要素であり、広い面積を占め人の目が自然に行く壁装の心理的な影響は大変大きなものがある。したがって、この施工には、技術や知識の必要性はいうまでもないが、同時に、人々の生活や文化などについての知識や素養も求められるところである。
 壁装施工は、新築工事では、その他の内装や設備取付けなどと重なりあった状況の中で進められる。張り替え工事では、顧客が生活する場が現場であり、かつ、他のインテリアエレメントとの関係も無視できない。このように、施工は単に作業に集中すれば良いというものではなく、現場の状況や他職との関係、顧客の意向や便宜などを常に考慮しながら行うことが大切である。
 壁装施工の手順の概要を示せば次のとおりである。
表2.0.1 壁装施行手順の概要
施行計画】

1

 図面・仕様書の確認

2

 管理者との打ち合わせ  建築工程・施工時期の確認
 施工方法、施工条件等の確認
 現場、規則などの確認
 現場環境の調査

3

 施工方法策定  下地点検、採寸
 施工図・割り付け図作成
 積算・見積

4

 施工計画書・工程表・見本提出と確認
【施工準備】
1  施工指示書等指示事項の伝達
2  材料・機器類の手配
3  材料・機器類の搬入、保管、据え付け
4  仮設・養生
5  機器類の取外し
【施工実施】

1

 下地調整  下地の点検、下地面の清掃
 防さび処理、パテ・シーラー塗布
 色違いの修正

2

 壁紙張り  材料点検
 現場割り付け
 材料裁断
 糊ごしらえ、糊付け
 張り付け、切り付け、仕上げ
3  清掃、跡片づけ、自主検査
4  完成検査
5  養生