第3章  下地調整
概  要
 下地調整は壁紙を張るのに適した下地基材面をつくることで、壁紙の施工の成否を左右する大変重要な工事である。その主な内容は、できるだけ均一な性状の下地をつくり、壁紙の接着が確保でき、美しい仕上がりが得られ、事後の経時(日)変化による支障がないようにつくることである。
 下地調整には次の三つの要素を検討し、下地調整剤と調整方法を選択することが大切である。また、下地調整の主な項目は図2.3.1のとおりである。
1 下地基材の材質、特性、施工方法を考える
 木質の合板とモルタルとでは物理的にも化学的にも違いがある。また、同じ材質でも、鋼製や木製下地に取り付けられた石こうボードと、コンクリート直張り(GL)工法による石こうボードとでは違う特性を示す、下地調整もこれに対応して違ってくる。
2 張る壁紙の特徴を考える
 下地の良しあしを敏感に表すもの、ほとんど表さないもの、また、隠蔽性のありなしなど壁紙の特徴により下地調整の仕方も違ってくる。
3 室内環境を考える
 湿気が多いとか、結露の恐れがあるなどにより、さび止め、防かび、アルカリ対策が必要になるなど、部屋の使われ方によっても下地調整に違いが生じる。
図2.3.1 下地調整の主な項目





湿式工法の下地基材 下地調整の項目 乾式工法の下地基材

コンクリート・モルタル・しっくい等

合板・石こうボード・スレート・けいカル板等


乾燥 >

凹凸・不陸・穴・隙間・クラック >

出隅、入隅、目通り >

ふけ・粉状の浮遊物 >

下地基材の点検


< 板の取付け具合、釘・ビス

< 下地の曲り

< 隙間、目違い

< 出隅、入隅、目通り

< 吸水性


埃・油汚れの除去 >

サインペン等記入物の除去 >

除かび >

下地面の清掃>

< 埃・油汚れの除去

< サインペン等記入物の除去

< 除かび


 

防さび処理
< 釘・ビス頭のさび止め処理

防かび剤塗布 >

防かび処理

防かび剤塗布

凸部・はつり・サンダー掛け >

凹部・穴・パテ埋め >

不陸・パテしごき >

隙間・パテ埋めまたは左官工事 >

面の平滑化

< 隙間・段違い・パテ塗り

< 釘・ビス頭の凹み・パテ塗り

色料塗布 >

色違いの修正

< 色料塗布

シーラー塗布 >

プライマー処理 >

接着面の調整>

< シーラー塗布
< プライマー処理