1、紙壁紙
鳥の子
  表面を手垢、糊などで汚さない。折れ目やしわを付けないなど、取り扱いには細心の注意を払う。伝統的な張り方は、袋張りで下張りをした上に張るもので、ジョイントは前の鳥の子に1cmほど重ねて張る。壁面の場合は下端から張り出して順次上に張っていく、いわゆる張り上げにするのが原則である。最近では、防火上の問題などから、下地をごく平滑に作った上で直張りする。かつ、突き付けに張る方法が採られることもある。
  糊付けは手付けとし機械糊付けはしない。糊は総糊を用いるが、4周のへりは廻り糊を付ける心持ちで切り気味に付け、表面に糊が回らないよう注意する。糊付け後はあまり放置時間(オープンタイム)を取り過ぎないように注意する。したがって、作業は糊を付けたら張り、糊を付けたら張りの繰り返しとなる。
和紙壁紙
 表面層に和紙が用いられているものと、本質的には洋紙壁紙だが意匠的には和紙のテクスチャーを表現させたものとがあるが、いずれも壁紙として施工しやすいように品質設計がなされている。糊付けは機械糊付けでなんら支障はないし、表面を誤って汚した場合でも拭き取り可能である。ただし、材質的にはやや硬めなので、糊はビニル壁紙の場合と同じに考えないでやや薄めに溶いたものを用いる。また、オープンタイムの取り方も、水分が壁紙によく行きわたり、壁紙が下地になじみやすい状態になる頃合をみることが上手に張れるコツである。
輸入壁紙
 ヨーロッパからの輸入壁紙には表2.5.1に示すような記号表示があるので、それを参考にして扱うことができる。なお、柄合わせは2枚合わせのものと、3枚合わせのものがあるので、事前に3枚まで並べてみて確認しておくことが大切である.
 材料によってはサイジングの強い(水の吸い込みが抑制された)ものがあるが、これは糊付け後のオープンタイムを十分に取り、紙を良く伸ばしてから張る。逆に、サイジングの弱い材料は、オープンタイムを短くする。糊付けはビニル壁紙と同様で良い。
 深エンボスの壁紙は、下地側に糊付けする向こう糊が適している。
 フォト壁紙で、何枚かを張り合わせて一つの絵柄を表すものは、各枚の間にオープンタイムの差があると伸び方に差が出て柄が合わなくなるので、図2.5.0に示すようなものであれば、①②を糊付けして張り、次に、③④を糊付けして張る。同様に⑤⑥を張り、⑦⑧を張るようにすると良い。
 

 

 

 

表2.5.1ヨーロッパの壁紙品質表示マーク

These international performance symbols are already used in pattern books and on product trade in Europe. They have been recommended by the wallpaper marketing Board in the British equivalent of the Wallcovering information Bureau in the U.S.
(訳) これらの品質表示マークは、ヨーロッパで見本帖や製品ラベルにすでに使用されているものである。
米国の壁紙のインフォメーションに当たる英国の壁紙マーケティングボードによって推薦されているものである。

マーク

表示内容

読み

意味

washable ウォッシャブル 洗浄可能

super-washable スーパーウォッシャブル 超洗浄可能

scrubbable スクラバブル ごしごしこすって洗える

sufficient
light fastness
サフィシエント
ライトファーストネス
耐光性良

good light fastness グッド ライト ファーストネス 耐光性優

strippable ストリッパブル 剥離可能(全部はがせる)

peelable ピーラブル 層間剥離可能

ready pasted レディ ペーステッド のり付き

paste-the-wall ペーストザウォール 壁面にのりを付ける

free match フリーマッチ 柄合わせ自由(なし)

straight match ストレートマッチ 柄合わせする

offset match オフセットマッチ つなぎ柄(合わせる)

 

国産の洋紙壁紙
 和紙調に作ったものとは別系列の、発泡塗料を用いたロータリープリント加工の壁紙はビニル壁紙と比べてやぶれやすい面があるが、ほとんど同様と考えて良い。
加工紙壁紙
 取り扱いは、表面を汚さないようにし、やぶれやすいので注意する。
 張り方は、前の壁紙に1cmほど重ねて張る壁面の場合は張り上げとする。
 糊は総糊とし、鳥の子と同様にするのが最善であるが、機械糊付けも可能である。
 

 

図2.5.1 写真なし

 

 

メタリック壁紙
 アルミホイルをべ一スにして作られたメタリック壁紙は、下地をとくに平滑に作る必要がある。
 材料は施工前に水引きをして柔らかく張りやすい状態にしておく。外国のカタログでは向こう糊で張るよう指定しているが、向こう糊の場合は水気を少なくして塗るのが良い。試験張りをしてみて、通常の糊で支障ないことが分かれば、向こう糊にこだわらなくても良い。
 撫で付けはゴムローラーが適している。パテベラで撫でる場合はヘラを直接当てないようビニルテープをヘラに巻くなどする。刷毛による撫で付けは圧着が不十分になる危険性がある。
 アルミ箔は電気を伝えるので、コンセント廻りなどは電源を切って作業しないと危険である。