第6章 下張り工法
1、下張り工法の種類と概要
  下張り工法は和紙などを張って壁紙張りに適した下地を作るもので、その種類には次に挙げるようなものがある。これら各種の下張りの、どれをどの程度に施すかは、下地基材の状態や張る壁紙の種類などによって判断して行う。
  下張りを施して壁紙を張る場合は、通常、壁紙を上張りと呼ぶ。
目張り

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用紙:クラフト紙、ハトロン紙、和紙
合板・ボード類の継ぎ目、モルタルのクラックなど、隙間や傷のある部分を紙張りして覆うもので、空気の流れを防ぎ、次の下張りや上張りの接着を良くさせるものである。
  張り方は、6〜7cmほどの幅で適当な長さに裁断した用紙に、全面糊付けして、隙間、傷などを完全に覆うように張る。目張りを張りつなぐときは、前の紙に1cmほど重ねて張る。
廻りベタ / 用紙:クラフト紙、ハトロン紙、和紙
壁の四周部分にベタ張りし、上張りの接着をたすけるものである。
  張り方は、6〜10cmほどの幅に裁断した用紙に、全面糊付けしてベタ張りする。張りつなぐときは、前の紙に1cmほど重ねて張る。
ベタ張り
(捨てベタ)
/ 用紙1ハトロン紙、和紙
下地全面に紙張りし、接着性の良い、均一な性状の面を作るものである。
  張り方は、全紙判か半裁にした用紙に、全面糊付けして下地面全体に余すところなく張る。張りつなぎ方は、前の紙に1cmほど重ねて張る。
  ベタ張りに直接上張りする場合は、仕上げ材によってはべタ張りを突き付けに張り、重なりができた部分はサンダー掛けか、上パテをしごくなどして平滑にする。
袋張り / 用紙:代用石州、茶ちり、桑ちり(石州、細川を用いることもある)
半紙判(B4判)大に裁った紙の四周部分に、幅3mmぐらいの糊付けをして下地のほぼ全面に張るものである。糊の付いた部分だけが下地に張り付き、他は下地から浮いた状態になるので浮かし張りとも言われる。この特長は、下地に凸凹があっても簡易に平滑面が得られ、薄手の紙や光沢のある壁紙なども美しく仕上げられる。また、織物壁紙の風合いを活かし、張り替えの際簡単に剥がせるなどである。ただし、梅雨どきなど湿気が多い時は、下張りの紙が伸びて一時的にたるみが出るのは避けられない。
 張り方は別記するが、袋張りを一度した場合は一遍袋といい、袋張りの上に更に袋張りを重ねる張り方は二遍袋と呼ぶ。
ジョイントベタ / 用紙:クラフト紙、ハトロン紙、和紙(袋張用紙ととも紙もある)
上張りのジョイントが生じる位置に紙張りし、上張りの接着をたすけるもので、直張り工法の場合でも下地の接着性に不安がある場合はこれを施すことがある。また、袋張りの上で上張りを突き付けにジョイントする場合は、袋張りを保護するためジョイントベタは欠かせない。
 張り方は幅12cmほどに裁った用紙に、全面糊付けしてベタ張りする。
張りつなぐときは前の紙に1cmほど重ねて張る。
清べ夕張り / 用紙:石州、細川、代用石州
袋張りの上に紙張りして、袋のたるみを押さえ、安定した平滑面を得るとともに、柄織物の壁紙を張るとき、袋を傷めないで柄合わせの作業をするのに欠かせないものである。
 張り方は半裁程度に裁った紙に全面糊付けしてベタ張りする。糊付けは紙の四周部分はよく切って付け糊のたまりがないように注意する。撫で付けは下の袋張りに撫でむらが出やすいので、袋張りに添わせる心持ちで撫で、撫で終わったらたるみを中心に向けるようにして撫で直しておく。張りつなぎ方は前の紙に1cmほど重ねて張る。この重ねの段差が問題となる場合は、サンダーを掛けるか、上パテをしごいて修正する。