1、現場調査
  張り替え・改装工事は、現場を調査し、現場環境、現場の状態、工事の規模、内装関連工事の要否、工事上の制約など、受注から完成引き渡しまでの総てが計画できるように、必要な情報を集めることから始められる。
         
現場環境
 基本的には本編第1章で述べたことと同じであるが、大規模建築物の場合は発注主側の管理組織もしっかりしており、駐車、資材類搬出入、工事等について理解が得られやすいが、その他の場合はそれらで難渋することがあるので、よく調査し対策を立てる必要がある。
現場の状況
  現場の状況については、直接の対象である内装はもとより、建物、室内環境等についてもできるだけ調べるようにする。その主な項目は次のとおりである。
         
(1) 建築後の年数、内装工事後の年数。
(2) 壁紙、化粧仕上げの状態(変色、老化、傷み具合、剥がれ、やぶれ、かび〉。
(3) 下地基材の種類(ボード類、モルタル等)と下地の状況(破損、隙間、さび、かび)。
(4) 室内環境(雨もり、結露、かび)。
(5)

 

部屋の使われ方、状態(各部の汚れ、傷み具合など)。
工事の規模・内容
 図面により構造、配置等を知り、工事内容・規模等を検討するが、現場が図面どおりかどうかも実地に調べて確認する。
 張り替え面積は現場の展開図をつくり、できるだけ詳しく採寸する。この時、移動不能の家具類がある場合は、割り付けの方法も検討しておく。
関連改装工事の要否
張り替えや改装をすると、改装で手を付けなかった部分との落差が際立ち、折角の工事の結果に割り切れない不満が残ることがある。顧客が求める張り替えや改装の本質的な問題はインテリアのリフレッシュにある。したがって、現場調査に際しては、顧客の注文に的確に答えるという視点の重要さはいうまでもないが、同時に、インテリアのどこをどの程度手を加えれば、より生きたリフレッシュができるかという視点ももち、関連する改装工事の必要が感じられた場合は、それも併せて提案するようにする。
工事上の制約
 大規模建築物の場合は、発注者、管理者との打ち合わせで、工事上の制約事項の主なものは指示されるので対策は立てやすいが、それでも、工事中の音や臭いなどでクレームをうけ、作業時間や作業方法を変更させられる例はめずらしくない。
 マンション等共同住宅の場合は、管理組合や管理人との関係、上下階や隣家との関係でトラブルが起きやすい。材料類の搬出入、工事時間、音、臭い等々で思わぬ障害に遇うこともある。また、顧客の生活との関係からも、時間や工法で制約をうけることもある。
  戸建て住宅でも、顧客の生活と折り合いを付けながち工程を組むことが必要になる。
  工事上の制約は現場毎に独特の問題があるものと考えて、発注者、管理者の注文を良く聞き、対策を考えることが大切である。特に、共同住宅の場合は、管理組合への連絡やトラブルが起きないよう先方への了解工作は、発注者側にもお願いして万全を期さなければならない。