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Ⅳ-8 カーペット耐久性のまとめ |
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カーペットを多角的に考察してきたが、耐久性を重視して選択する場合は、下記のマトリックスが参考になる。ただし一般的なカーペットを耐久性で選ぶ場合は正しいが、ペットインテリアという点では1点だけ間違っている箇所がある。それはパイル形態で、ペットインテリアの場合はパイル形態が入れ替わらなければならない。すなわち「カット」が正解である。なぜならループでは犬や猫の爪が引っ掛かってしまうからである。特にナイロン糸は丈夫なので引っ張っても取れず、無理やり外そうとすると爪を傷つけてしまう。したがってパイル形態は絶対にカットを選ぶべきであろう。どうしてもループを選びたい場合は、ループの形状が小さく、打ち込みが密なものを選ぶべきである。くれぐれもビッグループを選ぶべきではない。
耐久性の基準マトリックス
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優れている |
劣っている |
| 素 材 |
ナイロン |
他の繊維 |
| 繊維の規格 |
フィラメント糸 |
スパン糸 |
| パイル形態 |
※ループ |
※カット |
| パイル密度 |
密 |
粗い |
| 目 付 量 |
多い |
少ない |
| パイル長 |
低い |
高い |
| 全 厚 |
厚い |
薄い |
※ペットインテリアの場合は、カットを選択すべき。
補足としてカーペットの汚れ防止に簡単に触れたい。カーペットの汚れ防止には次の方法がある。
① 汚れがつきにくい薬剤をカーペット表面に塗布する
② 乱反射の原理で汚れを見えにくくする中空断面糸の採用
③ 断面の太い繊維を使うことにより汚れと接触する表面積を小さくする
①の薬剤塗布の代表が「・・・・ガード加工」と呼ぶフッ素樹脂コーティング法である。初期の段階は効果があることは事実。しかしフッ素樹脂コーティングの短所は摩擦に弱いことで、何時しか効力が薄れてしまう。②の中空断面糸はコントラクトCP用のBCFナイロンに採用されている。中空断面糸も汚れを見えにくくしているだけで、汚れが付着しないわけではない。その意味では決定的な汚れ防止策ではない。③の極太繊維も中空断面糸と同様に決定的な方法ではない。換言すると、犬や猫の粗相(そそう)や嘔吐は重度の汚れのため、フッ素樹脂コーティングや中空断面糸などでは対応できない。やはり「洗浄」というクリーニングが唯一最良の対応策である。
いずれにせよペットインテリアとしてのカーペットはタイルCPを除いて他にはないだろう。その場合のタイルCPは、「BCFナイロン」、パイル形態は「カット」、パイル密度は「密」、目付量は「多く」、パイル長は「低く」、ただし全厚は床衝撃音を考慮して厚くなければならない。人間とペットの共生からもこのようなカーペットを選びたいものである。 |
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Ⅳ-9 壁装材を選択する場合のポイント |
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壁装材には様々な種類がある。厳密に分類するとキリがないが、大まかには「貼り壁」と「塗り壁」の二大系統に分類できる。順序が逆になって恐縮だが、後者の塗り壁系の代表は「漆喰」と「じゅらく壁」である。塗り壁は風合いも素晴らしく、吸放湿性を持つ優れた壁装材であるが、高度経済成長期を契機に当時した石膏ボードに代表される乾式工法の登場と普及により殆ど姿を消してしまった。やはり工期短縮というニーズによる湿式工法から乾式工法へ転換には逆らえなかったようである。だが完全に姿を消したわけではない。現在でも一部の数奇屋造には残っている。また最近は環境・健康ブームで吸放湿性が見直されているが、価格も高く、施工職人も少ないため普及は一部に留まっている。したがって今回は割愛したい。
一方、「貼り壁」はレンガやセラミックタイルなどに象徴される窯業系と壁紙の2大系統がある。たしかに窯業系の壁装材は無機系素材が持つ独特の高級感を醸しだすが、日本の場合は、セラミックタイルなどの無機系建材はキッチンや洗面所、バスルームなどの水周り部分だけに限定して使という暗黙のルールがあるようだ。昔から日本の家屋は「木」と「紙」で造られているという話を聞くが、窯業系の無機質壁装材は高温多湿の風土で生まれた日本のインテリア文化に似合わないようである。 |
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表面強化壁紙
日本は類稀な壁紙天国である。平成17年の壁紙生産数量は7億2千万㎡で世界第1位。第2位のドイツ6億5千万㎡に7千万㎡の差をつけている。興味深いことに、一見酷似しているように見えても日独の市場は好対照である。たとえば日本の場合は典型的な国内需要型であるのに対して、ドイツは輸出産業型である。なんと全体の6割をロシアや東欧圏へ輸出している。したがって一人当たりの壁紙消費量という点では、間違いなく日本が世界一である。当然、各種ある壁装材の中でも群を抜いていることは言うまでもない。こうした背景があるだけに、ペットインテリアの壁装材を検討するに際して壁紙に絞り込んでも問題はないだろう。
さて「ペットの問題点」の項で、①犬の咬む習性と猫の爪とぎ、②犬と猫に共通して汚れる、③臭いが問題点として浮かび上がっている。まず犬の咬む習性と猫の爪とぎ対策だが、あくまでも前提として犬の好奇心の対象となる家具の突起物は極力防護し、犬が咬んでよい物や爪とぎグッズを与えて頂きたい。
壁紙として推薦したいのは、壁紙ブランドメーカーの団体である「壁装問屋協議会」と壁紙メーカーで組織する「壁紙製品規格協議会」の両者が指定する「表面強化壁紙」である。指定の対象となっている壁紙は、紙、無機質材、プラスチック壁紙の3タイプで、定義は「施工後の表面引っ掻きに強いこと」壁紙メーカーの団体である。表面強化の技術的方法は幾つかあるが、もっとも一般的なのは壁紙の表面に強度に優れたフィルムを。
ラミネートしているフィルムだが、現在流通している「表面強化壁紙」の殆どが、㈱クラレの『エバール』を使用している。『エバール』とはエチレン・ビニルアルコール共重合樹脂の登録商標で、本来はハムやソーセージ等の食品ラッピングフィルムとして開発された経緯がある。ポリビニルアルコールの特長である耐有機溶剤性とポリエチレンの特長である耐水性を備えているため、壁紙の汚れ防止フィルムとしとて使った場合でも優れた性能を発揮する。食品包装分野では既に20年以上の実績を持ち広く使用されている。その事実が如実に証明するように経口毒性も無害で、燃焼時には有害ガスも発生しない優れものである。価格的にも上代が1メートル当たり1,000円で決して高くはない。お勧めしたい一品である。 |
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壁紙と腰壁
住宅の洋風化に伴い10年ほど前から腰壁も使われるようになった。現在、流通している腰壁には、木板を使った本格的な腰壁とインテリア企業が販売している簡易なタイプがある。本格的な腰壁は樹種の種類やモールディングも多種が用意されている。当然、樹種によって引っ掻き傷に対する強度も違うので検討の際は確認が必要である。同時に本格的な腰壁を採用する場合は、往々にしてデコラティブなため凹凸が目立つ。若い犬は好奇心が旺盛なため突起部分を咬んだりする場合があるので、極力、平面的なものを選ぶべきである。
一方、インテリア企業が発売している腰壁は殆どが簡易なタイプで、本格的腰壁と比べると突起部分が比較的少ない。各社の簡易タイプのカタログを見ると壁紙の技術を応用したものが多く、前述の「表面強化壁紙」のマークなどを表示している。したがってこのマークを参考に選ぶとよいだろう。 |
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消臭剤を使った消臭壁紙
室内には不可避的に種々の臭いがこもってしまう。最近はキッチンと食堂、居間が一体化したリビングダイニングキッチンが普及しているだけに尚更であろう。また犬や猫、あるいはペットフードからも臭いが発生する。主成分は尿に含まれるアンモニアや体臭に含まれる腐った玉ネギの臭いのメチメメルカプタン、腐った卵の臭いの硫化水素などである。
対策としては消臭壁紙をお勧めする。ただし表面強化壁紙と消臭壁紙を兼ねた商品はない。なぜなら表面強化壁紙にラミネートしているフィルムが消臭機能を妨げるからである。そのための対応としては、犬や猫の手足が届きそうな高さまでは表面強化壁紙ないしは腰壁、それ以上の高さの壁面と天井に消臭壁紙という使い分けを提案する。消臭壁紙は面積が大きいほど消臭効果も高まる。したがって表面強化壁紙や腰壁の高さはペットの体格と全体的な部屋のインテリアバランスを考慮して決めるべきである。
消臭壁紙の多くは消臭効果のある薬剤を練り込むか、表面に塗布している。効力期間は、各社差があるものの大体5年間と言われている。当然、効力を保持するためには5年サイクルでの張替えが必要である。 |
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光触媒酸化チタンを使った消臭壁紙
最近注目されている消臭技術に光触媒酸化チタンがある。「光触媒」、聞き慣れない言葉である。そのはず光触媒酸化チタンの歴史は比較的新しい。基礎研究が始まったのが今から約30年前で、光触媒を利用した商品が登場したのは10年ほど前からだが紛れもないメイド・イン・ジャパンの技術である。
本来、触媒とは「化学反応の際に自分自身は反応しないが、仲介役となって反応を促進させる物質」を意味している。例えばガラス容器の中に水素と酸素を入れ混ぜ合わせても反応しないが、白金を入れると化学反応を起こして水が生成される。この場合、この白金が触媒の役割を果たしている。自然界にも触媒効果は存在している。光合成における葉緑素がそうだ。光合成とは太陽光により二酸化炭素と水が反応してデンプンと酸素になる反応だが、この二酸化炭素と水の混合体に対してどんなに太陽光を照射しても反応しない。葉緑素が太陽光を吸収することにより初めて光合成が起ってデンプンと酸素が生まれる。葉緑素が触媒の役割を果たしているためだ。
さて光触媒は触媒として半導体を使うが、半導体の殆どは水の中に入れて光を照射すると、陽イオンと陰イオンになって溶解する光溶解反応で溶けてしまう。しかし酸化チタンだけが光溶融を起こさず、おまけに安価で耐久性にも富むため、光触媒の半導体として利用されるようになった。またチタンは地殻に存在する元素の中でも9番目に多く、資源的にも豊富である。
この酸化チタンに波長380ナノメートル(以下nmと略)以下の光を当てると電子が動き電流が生じで光触媒反応が発生する。この反応は3万℃以上の燃焼反応に相当し、強い還元力と酸化力を持つ。この還元力と酸化力によって汚れや臭いの元となっている有機物を分解する。
光触媒反応は通常の燃焼反応とは違い、温度が上昇せず室温の状態で反応が進む。また通常の燃焼反応は、いったん火がつくと物質がなくなるまで反応が続くが、光触媒反応では光が当たる時に光の量しか反応が起こらないという特徴を持っている。さて光触媒の原理がなんとなく理解できたとしても、波長380nm以下の光という意味が分からなければチンプンカンになってしまう。
光というと雨あがりの虹を連想する人が多い。虹ように眼に見えるのは可視光線で、波長は個人差があるものの大体380nm~780nmの範囲内である。
光も電磁波の一種である以上は、空間を波のように波動運動しながら伝わる。当然、波である以上は波長と振幅があり、波長は長い方から短い方へ、電波⇒
マイクロ波⇒ 遠赤外線⇒ 赤外線⇒ 可視光線⇒ 紫外線⇒ X線⇒
ガンマ線という順に分類でき、一般的に光と言う場合は、この中の赤外線と可視光線、紫外線を指す場合が多い。
太陽光全体に占める紫外線の比率は約3%。一方、蛍光灯の場合は紫外線を殆ど含まない。そのため太陽光をフルに受ける場所の建材・内装材は光触媒反応という点で問題はないが、太陽光が十分に届かない屋内で使用する商品は工夫が必要である。企業秘密ということで各社公開していないが、おそらく触媒効果を促進させるような物質を添加しているのではないだろうか、この点に関して確認が必要である。
また留意しなければならないのは、光触媒効果で塩化ビニルなどの有機物質も分解してしまうことである。汚れ物質や臭いの元となっているアンモニアやメチメメルカプタン、硫化水素だけを分解するのではない。ビニルや繊維なども劣化させてしまう。この対策として酸化チタンをゼオライトなどのマイクロカプセルに包んだ「マスクメロン型酸化チタン」や、雲丹(うに)のトゲのような突起物をつくって接触面を少なくした「金平糖型酸化チタン」が考え出された。壁紙の場合は殆どが「マスクメロン型」のようだが、酸化チタンの接触面を少なくしている分だけ触媒効果が劣ることは否めない。したがって大きな期待を寄せると落胆も大きい。せいぜい「加工してない壁紙よりは多少でも増しだろう」程度の気持で採用すべきである。
いずれにせよ光触媒は注目の的である。それだけに光触媒商品には食品添加物として認められている酸化チタンだけでなく、バインダーや分散材として様々な化学物質が使われている。そこで業界として何らかの品質規格と安全性規準を制定する必要に迫られ、業界の自主団体『光触媒製品技術協議会』が発足。品質規格と使用してはならない化学物質一覧等を制定した。選択の際には、このマークを参考にするのも一考である。 |